本田技研工業.
コアなファンも多く,自動車メーカーの中でもスポーティな印象が強いホンダ.
就職先としてありなのかなしなのか見ていきましょう!
ホンダとは?
創業:1948年
売上高:15兆3611億円
従業員数:215,638人(連結)
本社:東京
勤務地
基本的に栃木県か埼玉県になります.
技術系だと基本的に栃木県です.
デザイン系や先進技術の研究開発が埼玉県和光市の部署になるそうです.
栃木の場合田舎にいく覚悟を持って就職しましょう.
事業情報
以下のグラフは特記していない限り「アニュアルレポート 2017」より引用しています.
ホンダは以下の事業を取り扱っています.
- 二輪事業
売上高:1.7兆円 営業利益:1707億円(10%程度)
バイクとか3輪もここに含まれていますね.
- 四輪事業
売上高:10兆円 営業利益:5011億円(5%程度)
自動車です.
- 汎用パワープロダクツ事業及びその他事業
売上高:3181億円 営業利益:-96億円
エンジンや発電機,HondaJetがここに含まれます.
- 金融サービス事業
売上高:1.8兆円 営業利益:1784億円(10%程度)
製品販売のサポート,リース,ローン事業を取り扱っています.
上記事業の売上構成比は以下のようになっています.
やはり四輪事業がほとんどを占めていることが分かりますね.
営業利益率的には,二輪事業と金融サービス事業が順調ですね.
以下では四輪事業について詳述することにします.
四輪事業の売上高・営業利益推移は以下のようになっています.
売上高は上昇基調であることがわかりますね.今年に売上高が減少したのは為替による影響だとされています.
営業利益は今年急激に回復しましたが,これは品質関連費用を含む販売費及び一般管理費の減少,コストダウン効果,台数変動及び構成差に伴う利益増などが影響したとされています.結果的にはうまく効率化することに成功し,5%にたどり着いたということですね.
自動車業界は為替の変動を強く受けるので,単純に自動車販売数で判断したほうが好調か不調かを判断しやすいです.
その他の地域を除いて,販売台数が上昇しています.とくにアジア地域での販売が顕著な伸びを示しています.中国での販売台数は前年度から20.0%も増加しています.ホンダの総販売台数は過去最高で500万台超を記録しています.
ホンダの各国でのシェアを見ていきましょう.
日本:3位.11.3%.38万台
アメリカ:5位(日系2位).9.5%.164万台
中国:?位(日系2位).4%程度.144万台
欧州:かなり下.18.4万台.
ブラジル:8位(日系2位).7.1%.12.2万台
タイ:3位(日系3位).14.7%.12.7万台
インドネシア:2位(日系2位).34.4%.37万台
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残念ながらシェア1位になっている地域はないものの,欧州以外のすべての地域で安定して第2,3位の地位を築いています(日系1位は中国を除きトヨタです).また,中国市場の販売量はアメリカの販売量に肉薄してきているのが分かります.
ホンダの強み
- 全地域に分散した安定した収益基盤
上記のシェアからわかると思いますが,欧州以外のすべての地域で安定して第2,3位を築いていることがまず強みです.売上がほぼ同程度(11.7兆円)の日産と比べれば,日産は中国で第一位という強みはあるものの,その他のアジア地域では存在感が薄く,中国アメリカ日本に傾倒しすぎています.今後,中国だけではなく東南アジアも旺盛な需要が見込まれるので,そこで先行的なシェアを獲得できているのは優位です.
- N BOX
日本の2017年新車販売台数はNBOXが圧倒的にNo.1です.
このようなトレンドをとらえた商品を開発できる能力は強みですね.
- 二輪事業を行っていること
ホンダの二輪事業は利益率が10%程度と安定しており,効率よく稼いできてくれます.
また,四輪車は値段が高いため,発展途上国にははじめバイク・スクーターがよく売れる傾向にあります.そこでホンダというイメージを根付かせることができ,その国が発展してきたときに四輪車を売りやすくなります.ブランドイメージがすでにできているのは車を販売する上で非常に有効です.
タイ・インドネシアはまさにこの好例です.タイ・インドネシアでの2輪車シェアはともに75%程度で独走しています.
- 四輪以外での尖った技術
これはホンダジェットを指していますが,こういった別分野で尖った技術をアピールすることはブランドイメージ的に重要です.なんかすごいと思わせたら良いので,こういった試みはどんどんしていくべきだと感じます.アシモなんかもそうですね.
- 二輪の電動化
ホンダが量産用二輪車として世界初のハイブリッドシステムを採用しました.
今後は完全電動化も目指すそうで,目が離せないですね.おそらく二輪車の電動化という面では一番研究が進んでいる会社だと思います.
ホンダの弱み
- 四輪で目新しい技術がない
四輪で培った技術を二輪にコンバートすることで,二輪で最新設備を整えることに成功しているものの,四輪での技術自体は他メーカーに比べて少し遅れているように感じます.それが恐らくどこの国でもシェアNo.1に付けていない理由だと推測します.
ホンダの今後
中期経営計画から見る今後の施策
- 中国への設備投資
- 自動運転の技術開発.Waymoとの協業検討.
- 電動化技術の推し進め.EV開発室設立.
- 二輪車の完全電動化.
- ライドシェア・カーシェア事業
などの施策を行っていくようです.あまりセールス的な話は発見できませんでした.気になる点をピックアップします.
キーポイント
- 自動運転の技術開発
googleを傘下に持つalphabetの自動運転研究開発子会社Waymoとの協業を検討しています.
自動運転技術で出遅れている感のあるホンダがこれから巻き返していくためにはここと協業することは必須です.もしこれがおじゃんになったら,ホンダは自動運転技術で後塵を拝することになると思われます.なんとしても成立させてほしいところですね.
- ライドシェア事業
ホンダはライドシェアで東南アジアを牛耳るグラブ,カーシェアで中国のリサーチスターと提携を発表しました.今後ライドシェア,カーシェアは自動運転技術との相性がよく,爆発的な成長が期待されている分野です.ここでしっかり提携していくことは今後の成長左右する重要な分岐点と言えます.トヨタはUberと,日産は滴滴出行と協業を発表しています.それぞれ得意とする地域の企業と提携しましたが,一体どうなっていくのか・・.
ホンダは就職先としてあり?なし?
- 勤務地
埼玉県か栃木県です.ほとんどの方は田舎にいく覚悟を.
- 将来性
自動運転関連で少し不安があります.二輪事業は間違いなく大丈夫でしょうが,四輪は怪しいのではと踏んでいます.日産がさらに躍進し徐々にシェア3位へ全体的に後退するのではないでしょうか?
- 年収
トヨタよりは低く,日産と同程度.
田舎暮らしで大丈夫で,二輪事業に携わりたい方にはありかと思います.
4輪の場合は,勤務地的にも将来性的にも日産,あるいは年収が良く,圧倒的な将来性,やりがいからトヨタにしたほうがよいのではと思います.
以上ご参考になれば.
自動車業界徹底比較!7社それぞれの強み・弱みと将来性・自動運転への取り組みは?
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www.atoq.tokyo
*1:自動車産業ポータル MARKLINESより