【ダイキンの今後と将来性】M&Aで業績拡大中だが好調か?【企業分析】

ダイキン工業株式会社

エアコンや空調事業で有名なダイキン

果たして今後どのように成長していくことが見込まれるのでしょうか?
就職先としてありかなしかを分析していきましょう!

ダイキン工業株式会社とは?

創業:1924年
資本金:800億円
従業員数:連結60805人
売上高:2兆円
海外売上比率:75%

ダイキンは空調事業,化学事業,フィルタ事業,油機事業,特機事業,電子システム事業の6の事業を展開しており,その中でも空調事業は売上高の約90%を占めており,自社で空調機と冷媒ガスの開発・生産が可能な世界唯一のメーカーです.特に産業用空調機業界ではシェア17%を獲得し,2位のCarrier corporationを抜き1位を誇っています.

事業全体の売り上げ高はなんと2兆円です.まさかここまで大きい企業だとは調べるまで思いもしませんでした.というのもここ最近ダイキンはM&Aによって急速に規模を拡大しています。正直えげつないスピードです.

【2011年】

  • トルコの空調機メーカー「エアフェル社」を買収

【2012年】

  • 米国住宅用空調大手「Goodman社」を買収

【2013年】

  • インドネシアの業務用空調機器の販売代理店である「TSP社」を買収

【2015年】

  • 大手化学メーカー ソルベイ社から欧州の冷媒事業を買収

【2016年】

  • 米国のエアフィルターメーカーフランダースを買収
  • イタリアの業務用冷凍・冷蔵機メーカー ザノッティ社を買収
  • 北欧のエアフィルターメーカー ディンエア社を買収

ほぼ毎年どこかしらの企業を買収していますね(笑)
そして売上高は2000年には5000億円だったものが今や2兆円と4倍にまで拡大しています!

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こういった買収による事業拡大を進めているおかげでその海外売上比率は75%に達しています.完全なグローバル企業ですね.しかもその売り上げ構成比もどこかに極端に依存しているというわけでもなく

  • 日本(23%)
  • アメリカ(27%)
  • 中国(17%)
  • 欧州(14%)
  • アジア・オセアニア(16%)

とバランスよく稼ぐ力を有しています.とても強固な経営基盤を築いていますね.

ダイキン工業株式会社の今後

まずはダイキンが発表している今後の計画について見ていきましょう.
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売上高を現在の2兆円から2020年には3兆円に引き上げる予定をしているようです.さすがにあと3年でこの目標を達成することは難しいでしょう.しかし意欲的な数値目標であることに変わりはありません.あと数年のうちまだ複数社買収する予定なのかもしれませんね.

また,ダイキンは主に

  • 北米空調事業
  • アジア空調事業
  • 化学事業
  • フィルタ事業

を重点戦略テーマとして挙げています.

  • 北米空調事業

北米空調事業は現在も世界の中で最大の空調事業規模を誇っており,北米でシェアナンバー1を獲得することで盤石な経営基盤を形成できます.
しかし,現在のところダイキンは北米でのシェアナンバー1は実現できておりません.
そのため,北米独自の商品開発を行うために北米R&Dセンターを設立したり,スマート化した高品質なサービスソリューションを提供するなどで更なるシェア拡大を目指しています.

  • アジア空調事業

アジア空調事業は今後もっとも有望な成長市場です.この中でダイキンはすでにトップシェアを確立しています.そのため,今後ダイキンの課題はこのトップシェアである強みを活かして,そのままいかにトップシェアを維持しつつその割合を増やしていくかにあります.今後の市場拡大を見越して,インドやマレーシア,インドネシア,フィリピンにおける工場の生産能力の増強を予定しています.

  • 化学事業

自動車やICT,新エネルギーなどの伸び筋市場を重点分野として新規参入を目指しています.実際うまく材料を開発を行え,利益を上げられるかどうかはまだ未知数です.

  • フィルタ事業

アメリカのフランダース社を買収したことにより,量産効果によるコスト競争力の強化および品揃えの拡充などのシナジー効果が期待されており,今後更なる成長が見込まれます.空調や化学に次ぐ第三の収益の柱としてフィルタ事業を成長させていく予定をしています.

主だって以上の4つを成長戦略の中心においていますが,化学事業以外は極めて順調に推移していくことが予想されます.きわめて将来性の高い企業であると言わざるを得ません

ダイキンは就職先としてあり?なし?

結局ありかなしかで言えばありです.

世界最大の市場規模を誇る北米において,グッドマン社買収によるシナジー効果が今後有意に出始めることでしょうし,現地にR&Dセンターを設立することで機動性を高めています.

また,今後成長が著しいアジア地域でトップシェアをすでに誇っていることは企業の安定性をきわめて高くしています.
将来的にはここでのノウハウを活かし,アフリカの新興国においても高いシェアを獲得していけるのではないでしょうか?
さらにある一定の地域に売上高が偏在しない非常にバランスの良い売上構成比は強固な経営基盤を作りあげていることを物語っています.

よって,企業の安定性・成長性の面からみれば圧倒的にありです!

ただし,働き方の面として数多くの課題があることもまた事実です.
就活サイトの口コミ見ている限り,最近の急成長に企業体質が追い付いておらず,
激務であるにも関わらず給与水準はメーカーの中では低い傾向にあるようです.

今後改善されていく見込みは十分にありますが,
安定するまでの今後5~10年は仕事内容に見合わない薄給に耐えなければならないかもしれません.

また,海外売上比率が非常に高くなっていること,世界中にR&Dセンターが設立され始めていることから,海外転勤が大変高い確率で発生することが予想されます.これをプラスととるかマイナスにとるかは人によると思いますが,現在就活中でダイキンに直接話を聞いて海外転勤はそれほどないと言われていたとしても
あと10年もしたら話は変わって非常に高い確率で世界中を飛び回る必要があるでしょう.

逆にそれだけやりがいのある事業だと言えますが,
海外出張がイヤで日本で穏やかに過ごしたい方にはおすすめできません.

ただし,グローバルで活躍したいんじゃ!!
みたいな方にはうってつけの企業です.
しかももはや日本では数少ない世界で戦っていける企業でもあります.

事業拡大による慢性的な人手不足であり,また空調事業は就活生にとって花形ではないため,就活的には穴場的な企業です.
ご自身の将来ビジョンをよく見定め検討してみください.

他の企業はこちらから
www.atoq.tokyo

*1:ダイキン工業株式会社 ホームページより

*2:ダイキン工業株式会社 ホームページより

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