大手電機メーカー7社を徹底比較します.
それぞれの詳細はこちらから.
日立製作所
三菱電機
パナソニック
ソニー
東芝
シャープ
NEC
富士通
こちらで書いた内容を簡易的にまとめて,各車の比較を行います.
以下を先に読んで,気になった企業のページを見に行くと良いと思います.
財務諸表
売上高
1位:日立製作所.9兆3686億円
2位:ソニー.8兆5440億円
3位:パナソニック.7兆9822億円
4位:三菱電機.4兆4311億円
5位:富士通.4兆983億円
6位:東芝.3兆9476億円
7位:NEC.2兆8444億円
8位:シャープ.2兆4272億円
売上高は日立製作所がトップです.
売上高から見れば,日立製作所・ソニー・パナソニックのトップ争いグループ,4位争いのその他に分けられますね.
近年に限って売上高の傾向を見てみれば,
増加傾向→ソニー,三菱電機
横ばい→日立製作所・パナソニック・富士通
減少傾向→東芝,シャープ,NEC
営業利益
1位:ソニー.7349億円(8.6%)
2位:日立製作所.5873億円(6.4%)
3位:パナソニック.3805億円(4.8%)
4位:三菱電機.3180億円(7.2%)
5位:富士通.1288億円(2.9%)
6位:東芝.641億円(1.6%)
7位:NEC.639億円(2.3%)
8位:シャープ.624億円(2.5%)
1位は今期絶好調だったソニーになりました.ソニーは今期のみ絶好調でしたが,安定的に高い営業利益をたたきだしているのは三菱電機になります.また,東芝・シャープ・NECは不正や業績不振によって近年低調に推移しています.
それぞれの強み
日立製作所
- OT(制御・運用技術)・IT・プロダクトの3点を有することによる高い総合技術力
- 民間からインフラまで多岐に渡る事業展開による業績の安定性
- 粒子線治療装置事業の世界シェア2位
パナソニック
- 車載電池の世界シェアが20%で1位
- 車載カメラモジュールや超音波センサも世界シェア1位
- 先進ロボティクスに最も注力している.看護ロボットやリンゴ摘み取りロボット,レジロボなど.
三菱電機
- インフラを取り扱っていること
- 営業利益率が高い値で安定している
- 事業領域が多岐にわたる
- FAに強み
- シーケンサ(プログラマブルコントローラ)は国内1位のシェア(50%以上),世界3位
ソニー
- 金融セグメントの営業利益が15%コンスタントと非常に高い(売上も1兆2700億円)
- CMOSイメージングセンサー世界シェア1位.45%.
- 年々市場規模拡大するゲーム市場で安定した利益を上げている
東芝
- インフラ関係での安定した稼ぎ(インフラしかほぼないが)
- HDDのシェアが高い.シェア24%.
- 東芝メモリを売却したことにより獲得した莫大なキャッシュ.
- 巨大なプラントから極小のメモリまで様々な製品を販売してきた経験からIoT/AIシナジーを発揮する商品を開発できるかも
シャープ
- 液晶技術は世界トップクラスで8K技術を多く有している
- 鴻海グループの販売網・生産力を利用できる
- 住宅用太陽光発電の発電量シェア1位
- AQUOSフォンが国内シェア2位に
NEC
- ITサービスベンダー大手(2位)
- 動画顔認証技術が世界一であること
- 国内IAサーバ市場でトップシェア
- 軍事関係に強い(国内軍需のシェア第3位)
富士通
- ITサービス市場シェア国内1位・世界5位
- 国内において,幅広い事業領域で高いシェア(製造,流通,通信,公共,官公庁で1位.金融で2位)
- サーバ市場において,国内1位,世界9位
- スーパーコンピュータ分野に強み.京を開発.擬似量子コンピュータの実用化に成功.
それぞれの弱み
日立製作所
- 世界シェア1位となっている商品がほとんどない
- 英の原子力発電事業での巨額損失の可能性
- 家電分野の売上低迷
パナソニック
- インフラ製品の取り扱いがないので安定性に乏しい
- 家電事業が中国企業の台頭により苦しい
- 全固体電池の登場でリチウムイオンバッテリー売り上げの落ち込み,および同様のシェアを獲得できるか怪しい.(全固体電池の特許数1位はトヨタ)
三菱電機
- シェア1位のものが少ない.
ソニー
- スマートフォン事業が赤字.5GのためにやっているXperiaがほぼ毎年赤字で足を引っ張っている
東芝
- 東芝メモリ・東芝メディカルを売却してしまったため利益を上げられる事業がない.
シャープ
- 8Kに力を入れすぎている
- 12年から続く長期的な不良による人材難
NEC
- 海外売上比率が26%と低い
- 人員削減に伴う士気低下.2001年に4000人,2002年に2000人,2012人に1万人,さらに今回3000人削減を実行
富士通
- グローバルにおけるブランド力の低さ.世界シェア4位になるビジョンが見えない.
- ハードウェア事業の不安定さ.赤字と黒字を繰り返しています.
将来性
- 日立製作所→急激な成長はしないものの,安定した収益をこれからも挙げていくと思われる.GEやシーメンスを抜かすのは難しいでしょう
- 三菱電機→FAを中核事業として今後も高利益体質を維持していくと思われる.不採算事業は切っていくと思われるので注意.
- パナソニック→電池事業に爆弾持ち.リチウムイオンバッテリーにあまりに投資しすぎ.今後10年で全固体電池への遷移をうまく乗り切れるかが勝負.
- ソニー→安定したエンターテインメント系や金融事業がある.テレビや家電事業は売却すると予想.スマホ事業はCMOSがシナジーが良いので残していくのでは.
- 東芝→今後は安定.大きな成長はないが,インフラ関係の占める割合が極めて大きく安定している.ほぼ日本と運命共同体.
- シャープ→8K,8Kばっかりいっているので,またテレビ事業で赤字を出しそうな気がする.IoT方面では強いのでは.
- 富士通→日本での地位は安泰.ただし,世界でこれ以上成長できる見込みがあまりない.擬似ではなく本物の量子コンピュータの開発にも力を入れてほしい.
- NEC→一時盛り返してから,また日本の市場衰退とともに徐々に業績を落としていくと予想.
勤務地
- 日立:基本的に茨城県日立市.情報系や活動拠点が海外に多い部署は東京都内
- 三菱電機:全国各地.事業所ごとの採用で勤務地を選べます.FA→名古屋.宇宙→鎌倉.研究所→兵庫など.
- パナソニック:アプライアンス社→滋賀,オートモーティブシステムズ社→神奈川,エコソリューションズ社→大阪,コネクティッドソリューションズ社→東京,本社→大阪
- ソニー:基本的に東京都品川.家電などの製品を作っているのは神奈川の厚木や藤沢.
- 東芝:本社→浜松町・川崎,研究所→神奈川県川崎・横浜,工場→神奈川県川崎・横浜,東京都府中,兵庫県姫路,埼玉県深谷市
- シャープ:全国各地.本社以外田舎にしかない.
- 富士通:東京や神奈川の確立が高いが,全国各地にいく可能性もあり.
- NEC:事業所→東京(府中)・神奈川(川崎,相模原)・千葉(我孫子),研究所→神奈川(川崎,相模原)・千葉(つくば).基本的に川崎エリアですね.
東京で働きたい人は迷うことなくソニーを選びましょう.
田舎で働きたくない人はシャープは選択しないことをお勧めします.
まとめ
いかがだったでしょうか?
おおよその電機業界のイメージがつかめたかと思います.個人的な意見がかなり入っているので,気になった点は人事やOBOGに質問して,納得できる会社を選びましょう.
なお,参考文献は以下のページ書いてありますので,そちらから参照してください.
より詳しく知りたい企業があればこちらからどうぞ.
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